アセアンを含むアジアの統括ハブ拠点シンガポール。

なんと今度は知的財産のIPハブとして機能させようとしています。

シンガポール知的財産ハブマスタープラン

20世紀の知的財産は、日本、アメリカ、ヨーロッパの三極が世界の知的財産の世界を牽引してきました。
21世紀、シンガポールのアジアIPハブが実現すると、シンガポールが日本に代わってアジア地域の知的財産拠点になります。

シンガポールが計画しているIPハブ構想は、知的財産権の管理拠点、知的財産権の登録拠点、知的財産権の紛争解決拠点の3つを実現させようとすることです。

 

知的財産権の管理拠点とは、知的財産権の取引やライセンス管理を行う拠点です。

 

知的財産権の登録拠点とは、アジア各国の登録審査を代行するというものです。

知的財産権は属地主義と言われ、各国の権利はその国でしか通用しません。

そのため各国が独自に知的財産権の登録審査を行なっています。

ただし特許等の登録審査を行うためには審査官の育成や審査環境の整備など、人と金が必要なため、アジアの途上国では十分な登録審査が行われている国は多くはありません。

すでにアセアンのハブ拠点として機能しているシンガポールが、アセアンを含むアジア各国の登録審査を行うことは難しくありません。

 

知的財産権の紛争解決拠点とは、例えば日本企業と中国企業との間の知的財産権紛争に関する仲裁調停を第三国であるシンガポールで行うものです。

第三国での仲裁調停は契約条項で当事者が合意すれば実現でき、すでに香港やシンガポールなどの第三国で仲裁調停をする旨の契約を締結することは珍しくありません。

 

以上、3つの機能ですが、いまのシンガポールにとって決してハードルが高いものではなく、すでに機能している統括ハブ機能のオプションとしてすぐにでも実現できそうな内容です。

 

日本が東アジアの知的財産ハブとなる計画もありましたが、隣国との調和がとれず頓挫しています。

そんな日本を尻目にシンガポールがアジア地域の知的財産ハブ拠点となる日もそう遠くはありません。

 

追記

米国商工会議所が発表した2015年の知財制度の整備レベルでは、シンガポールは38カ国中アジア最高の6位にランクされています。


弁理士 田中智雄
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