中国企業との取引契約では、紛争解決手段として裁判ではなく仲裁を選択するのが一般的です。

その場合、仲裁機関として日本又は中国ではなく、第三国の仲裁機関を選択するケースがあります。

中国以外の外国の仲裁機関が判断した結果を中国で執行する場合は、中国の裁判所の承認が必要になります(中国民事訴訟法第267条)。

 

紛争解決手段として中国以外を選択したにもかかわらず、最終的には中国の裁判所の承認を得なければなりません。

これでは紛争解決手段として中国の裁判所を選択した場合と変わりません。

中国企業が不利になるような仲裁判断の執行を承認しないことも想定しておく必要があります。

 

契約書が機能しないとなれば、対世効がある知的財産権が頼りになります。

中国で商標権や特許権を取得していれば、契約書が機能しなくても、特許権の侵害や商標権の侵害として、中国企業に対抗することができます。

追記

2016年7月に下された南シナ海裁定に対して中国は仲裁裁判所の判断を無視する行動にでました。

国家が第三者機関の判断に従わない姿勢を貫くことで、企業も第三者機関の判断を無視してよいという雰囲気が醸成されます。

ほとんどが国有化されている中国の企業ですから、そのような企業が国家の意に反するような第三者機関の判断に従うことは固よりできないわけです。


弁理士 田中智雄
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