中国企業に対して商標の使用を許諾するライセンス契約は、中国工商行政管理局商標局が発表している「商標使用許諾契約登録弁法」に則って作成します。

中国においても契約自由の原則に基づいて、当事者が自由に記載内容を決めることができ、仮にそのように商標ライセンス契約を作成しても、契約書は効力を発揮します。

 

しかし商標ライセンス料を日本へ送金するためには、商標局が発行する「商標ライセンス契約の届出通知書」を銀行に提出する必要があります。

「商標ライセンス契約の届出通知書」を取得するためにはライセンス契約書を商標局へ届け出て審査を経なければなりません。

 

商標局の審査で問題になるのが、ライセンス契約においてライセンシーに使用を許諾する商品とライセンサーの商標登録証に記載されている指定商品の不一致です。

例えば、商標登録証に「被服」が指定商品として記載されている場合、「靴下」に対して使用を許諾するというライセンス契約を締結している場合です。

 

商標使用許諾契約登録弁法には、「使用を許可する商標が当該商標の使用が確定されている商品範囲を超えている場合は、ライセンス契約の登録申請を受け付けない」、と定めています(第11条)。

 

商標登録証に記載された指定商品の解釈は日本と比較すると厳格です。

日本の実務では商品を大きな概念で指定できるので、商標登録出願するときに指定商品を個別に記載することはしません。

中国の実務では商品を概念で指定することはできないので、指定商品を個別に記載します。

日本で「被服」を指定商品として権利化すれば、「靴下」も保護されます。

中国で「被服」を指定商品として権利化しても、「靴下」は保護されません。

 

中国の商標登録証に記載された個別の指定商品以外に商標権の効力は及ばないと考えておくべきです。


弁理士 田中智雄
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