日本の税関が没収できる貨物は、関税法69条の11に列挙されています。

この中では、麻薬類、銃刀類、猥褻図画、児童ポルノ、知的財産権侵害品、不正競争構成物品が規定されています。

また関税法70条には、他法令で許可承認等を必要とするものを輸入するときは証明書の提出が必要と規定されています。

代表的なものはワシントン条約該当物品です。

 

関税法で輸入が制限されていなければ、税関で没収されることはありません。

ではアメリカで買ったコンバースのスニーカは、どのような理由で輸入が制限されているのでしょうか。


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考えられる法規は関税法69条の11に規定されている知的財産権侵害品です。

そして知的財産権の中の商標権です。

 

商標権を侵害するための要件は商標法に規定されています。

商標法では、登録商標と同一の指定商品・指定役務に登録商標を使用する行為は商標権を侵害すると規定されています。

つまりコンバースという登録商標と同一の指定商品である靴に、コンバースという登録商標を使用する行為は商標権を侵害することになります。

そして商標権を侵害するコンバースのスニーカを輸入しようとした場合、税関はコンバースのスニーカを没収できることになります。

 

商標法や特許法などの知的財産法は産業立法と呼ばれる法律です。

法律の目的は産業の発展です。

このため産業の発展に寄与しない行為は例外として保護対象から外しています。

代表的は行為は、個人で使用することを目的とする場合です。

自分が履くためにアメリカで買ったコンバースのスニーカを日本へ輸入する行為です。

 

個人で使用することを例外にする他にも、個人での使用であるか否かに関わらず、いわゆる並行輸入品と認められた商品を輸入する場合も税関で没収されることはありません。

並行輸入品として認められるための要件は複雑ですが、日本と海外で品質に差異がないこと、日本の商標権者と外国の商標権者が実質的に同じこと、外国で違法に入手したものではないこと、を満たす必要があります。

 

個人での使用や並行輸入品であることは認定手続きという手続きを経て判断されます。

通関での没収はその端緒に過ぎません。


弁理士 田中智雄
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