著作権というものは商標や特許と違って、創作すると無方式で著作権が発生します。

それでも敢えて著作権を登録する理由は、著作物の存在と、権利者であることを証明するため、そして著作権のライセンス収入の可能性です。

日本で著作権登録する理由の多くは、有名キャラクタなどのコピー商品を防止するためです。

アメリカでは著作権でライセンス収入を得るために著作権登録が利用されています。

 

「出版エージェント」という存在はご存じでしょうか。

著書を発掘して出版社に売り込もうという人たちです。

この種のビジネスがアメリカでは盛んなようで、 彼らは常に売れそうなコンテンツを探しています。

 

エージェントが探しているものは、何も英語のコンテンツだけではありません。

英語以外のコンテンツ、当然日本語でも、その翻案権を得て米国の出版社に売り込もうとします。

彼らはどのようにコンテンツを探すのでしょうか。

多くは口コミ、マスコミですが、米国ではコンテンツを収録するデータベースが発達しており、そのデータベースも利用しています。

 

民間のデータベースが多数存在します。

その中で穴場のデータベースは米国著作権庁の登録原簿です。

そこには米国だけでなく世界各国のコンテンツが収録されています。

収録コンテンツは日々増え続け、1日あたり7000件が新たに登録されています。

商用コンテンツのみならず、自叙伝、論文等、日本では考えられないあらゆるコンテンツが登録の対象です。

エージェントの目に触れるツールとして、利用する価値があります。

 

さらに、著作権が登録されると、そのコンテンツは米国議会図書館にも収蔵されます。

米国著作権庁の登録期間は著作権の存続期間に限られますが、図書館の場合は半永久的です。

日本で絶版になったとしても、米国図書館には蔵書されたままです。

 

日本の文化庁への登録では、このようなメリットは全くありません。

そもそも出版エージェントというビジネスが日本にはなく(出版社が代行している)、また「50人の発行証明」という制度があるため、全く使い勝手がよくありません。

米国著作権登録によりコンテンツ活用の場が広がります。

 

追記

「50人の発行証明」について

これまでの登録実務では、50部以上の著作物の複製物の頒布、50人以上の著作物の見聞の証明が必要でした。

その後の登録実務では、50部に満たない、50人に満たない場合でも発行又は公表になり得るとする場合がある他、インターネットにアップロードした時点で公表とみなされるため、著作物をインターネット上で見たという一人の証明書の提出で足りるとしています。

参考 登録の手引(文化庁長官官房著作権課)


弁理士 田中智雄
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