麻薬・拳銃と同様に商標権・意匠権・特許権などの知的財産を侵害する貨物は輸入禁制品として税関における取締の対象です。

海外からの輸入が増えるに従い、知的財産を理由に通関できないケースが増えています。

 

現在どのような貨物が重点的に取り締まりの対象となっているか調べてみましょう。

Zeikan

http://www.customs.go.jp/cgi-bin/iscreate.cgi?SDB=&LANG=ja_JP,ipstj

キーワードを入力する欄に、「バック」と入力して検索をしてみてください。

「GUCCI」や「COACH」といった有名ブランド品が表示されます。

その他にも様々なものが登録されていますが、ここに登録されているものは、確実に取り締まりの対象です。

 

日本には、函館から沖縄まで9つの税関があります。

取り締まりの対象となっている貨物の情報は全ての税関で共有されています。

同じ貨物であれば、どこの税関で通関手続きをしても結果は同じということになります。

 

実際には、それぞれの税関の処理能力、職員の配置など、人の問題によって、税関によって結果が異なるのが事実です。

同じ管轄であっても本関と支署とでも異なります。

通関手続きを行う日時によっても違います。

最近は土日、24時間といった特別通関が可能ですが、そのような通関というのは、場合によっては危険なこともあります。

 

仕出し国によっても違いがあります。

模倣品として摘発される国として、現在、中国が圧倒的に多く、次いで、韓国・香港・台湾と続きます。

これらの国を仕出し国とする貨物は、当然、重点的に取り締まりの対象となります。

極端に言えば、全品開封検査の対象となります。

 

同じ貨物でもアメリカから直接輸入したものは通関できても、韓国を経由して迂回輸入した貨物は通関できないこともあります。

 

「並行輸入」という言葉をご存知でしょうか。

真正品の並行輸入は勿論、合法です。

当たり前のことですが、並行輸入品はというのは、正規代理店が扱うものと外観は同じです。

従って、正規代理店以外の業者が並行輸入品を輸入した場合、税関では「???」ということになります。

 

税関職員が侵害の疑いがあると考えた場合、知的財産特有の手続きを行わなければならないことになっています。

この手続きで晴れて合法の「並行輸入」であることが証明できれば通関できます。

しかし、この証明は簡単ではありません。

 

詳細は省きますが、短期間の間に、証明に必要な証拠・資料を入手することができないのです。

「並行輸入」の場合は、事前に証明に必要な証拠・資料を整えておくことをお薦めします。

 

商標や著作権の問題で、「似ている」ということが判断の材料になっているようですが、「似ている」というのは主観的な判断です。

似ているから侵害と決めつけるのは非常に危険です。

しかし、現場の税関職員が「似ている」と考えれば、そのまま通関することができないのは事実です。

 

麻薬や拳銃は一見すれば、それと分かりますが、知的財産の場合、侵害と判断するためにには、高度な専門的な判断が必要となります。

裁判でも侵害という結論がでるまでには非常に長い時間がかかります。

税関で侵害と言われたからといって、それが正しいとは限りません。

ただし、何もしなければ、貨物は没収・廃棄となり、大変なことになります。

 

知的財産の侵害は、非常に高度な判断が必要です。

別に反論したからといって、報復がある訳ではありません。

なにより怖いのは、そこで黒と判断されると、その情報が残ってしまい、別のものを輸入した場合でも、検査の対象となってしまうということです。

 

知的財産の侵害を判断する「認定手続」が行われると、少なくとも一ヶ月は通関できません。

一日でも早く通関を終えたいのに、これではビジネスになりません。

特にシーズン商品の場合、通関の遅れは大きな損害です。

 

輸入ビジネスをする上では知的財産のトラブルが常に付きまといます。

知的財産のトラブルに巻き込まれないような対策をしておきましょう。

 

参考 税関輸入差止め


弁理士 田中智雄
田中特許事務所(静岡駅徒歩5分)
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