法人で登録するのが一般的な商標ですが、中国では個人で商標を出願することが少なくありません。

中国でも個人で事業を営んでいる人はいますが、そのような個人事業者が事業のために積極的に商標を登録しているとは思えません。

 

個人で商標を出願する理由は他にあります。

一つは会社の寿命が短いことです。

中国では半数近くの企業が5年で廃業しています。

日本のように経営を永続させるという考えはなく、利益が上がらないと判断すればすぐに廃業して次のビジネスを始めます。

また中国では登記した営業範囲を越えたビジネスはできないため、このことも企業の廃業に拍車をかけています。

商標権は10年の期間があり、更新により半永久的に存続し続けます。

寿命が短い法人で商標登録しておくよりも、社長個人で商標登録しておけば、商標の帰趨は企業の廃業に左右されません。

 

もう一つは商標権の売買です。

使用ではなく売買のために商標を登録することが多いのも中国商標の特徴です。

事業を営んでいない個人が株式売買と同じような感覚で商標を売買しています。

中国のインターネット上には商標権を売買するためのサイトが多く開設されています。

 

日本の地名や日本企業の商品名が中国で抜け駆け出願される理由の一つは、そのような商標は人気が高く、高い値段で取り引きされるからです。


弁理士 田中智雄
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