著作権法の改正により著作権の保護期間が著作者の死後50年から70年に延長されることになりました。

法律を改正するからには、それなりの理由があるはずです。

ところが、これまで著作権の保護期間が著作者の死後50年では短すぎるという意見を聞いたことがありません。

むしろ著作者の死後50年にもわたって著作権が存在することの弊害が取りだたされる位です。

それにもかかわらず、突然、著作権法が改正されて保護期間が延長されてしまったのは、一体、どのような理由なのでしょうか。

著作権の保護期間を延長する理由は簡単です。

アメリカが世界に誇る映画文化の聖地、ハリウッドを保護したいからに他なりません。

 

著作権法は、別名、ミッキマウス法と揶揄されています。

ミッキマウスの著作権を満了させたくないアメリカは、ミッキマウスの著作権が切れそうになると、著作権の保護期間を延長してミッキマウスを永久に著作権法で保護しようとします。

アメリカ国内で保護期間の延長が成立すると、今度は世界各国に対しても法改正により保護期間を延長するように迫ってきます。

 

著作権法を俯瞰してみると、ハリウッドに有利なような法体系になっていることが分かります。

映画業界に対して一番強い保護が与えられ、次に放送業界が保護され、出版業界が一番蔑ろにされています。

映画も放送も出版も全てコンテンツを配信する媒体であるにも関わらず、映画だけが優遇されている理由は、ハリウッドの影響力が強いからです。

 

さらに映画業界を優遇するための例外規定があります。

著作権法の原則では、著作権はコンテンツを製作した者に帰属します。

映画のコンテンツを製作した者は映画監督です。

ところが映画の著作物の場合、映画の著作物の著作権は映画の製作会社に帰属するという例外規定が設けられています。

 

映画製作には莫大な費用がかかるから、というのがその理由のようですが、あえて例外規定を設けなくても、映画製作会社と映画監督との間の契約で解決すれば済む問題だと思います。

 

著作権法が理解し難い理由の1つは、業界の縮図によって条文が立法され、立法理由を後から無理やりこじ付けているからなのです。


弁理士 田中智雄
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