従来技術に比べてどの程度の創作性があれば特許を認めるかはその国の産業政策に依存します。

その国の技術レベルが低いにもかかわらず高い創作性を求めると、その国の特許は技術レベルの高い外国企業に占められてしまいます。

一方、通常の創作活動で行われる程度の低い創作性に対して特許を与えてしまうと、特許権が乱立し通常の創作活動に支障をきたします。

 

現在の日本の技術レベルは高く、創作性を高くしても外国企業に特許を独占されてしまうようなことはありません。

外国で特許になっても日本で特許にならない理由の一つは日本の技術レベルが高く、そして特許を与えるための創作性のレベルも高いからです。

 

現在の中国の科学技術の進歩は著しいと言われていますが、日本に比べればまだまだ技術レベルに差があることは事実です。

日本と中国とで特許を得るために要求される創作性のレベルに違いがあるため、日本では特許にならないような発明が中国では特許になってしまうことも少なくありません。

 

そしてもう一つの理由が中国の産業政策です。

中国の国家知的財産戦略では、特許保有件数を2013年の4件/万人から2015年に6件/万人へ、そして2020年には14件/万人とする計画を発表しています。

この目標を達成するためには特許出願件数を促進させるような税制優遇などの政策に加え、特許を与えるための創作性のレベルをコントルールする必要があります。

こうした努力が実り2016年4月末時点で中国の特許保有件数は159万4000件を達成しています。

 

政策目標を達成するまでは特許を与えるための創作性のレベルを低くするようなことはあっても高くすることはないでしょう。


弁理士 田中智雄
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