中国の著作権法の改正作業が進められています。

インターネット技術やデジタル技術の発達に伴い増え続けている著作権侵害に対応する規定が盛り込まれています。

 

現行法の損害賠償規定は、実質的損失に基づく損害賠償です。

 

著作権法第49条(現行法)

著作権又は著作隣接権を侵害する場合は、権利侵害者は権利者の実質的損失に基づいて損害賠償しなければならない。

実質的損失の算出が困難であるときは、権利侵害者の違法所得に応じて損害賠償を行うことができる。

賠償額には、権利者が権利侵害行為を制止するために支払った合理的支出を含めるものとする。

権利者の実質的損失又は権利侵害者の違法所得を確定することができないときは、人民法院が侵害行為の情状により50万元以下の損害賠償額を支払うべきとの判決を下す。

 

これに対して改正案では、

著作権又は著作隣接権を侵害する場合に、賠償額を計算するときは、権利者は実質的損失、権利侵害者の違法な行為による所得、権利取引費用の合理的な倍数又は100万元以下の額を選択し、賠償を請求することができる。

2回以上著作権又は著作隣接権を故意に侵害した場合、前項により算出した賠償額の2倍から3倍をもって賠償額を確定することができる。

人民法院は賠償額を確定するとき、著作権者が侵害行為を制止するために支払った合理的な出費を含めるものとする。

人民法院は、賠償額を確定するために、著作権者が証拠を立てるよう尽力したものの、権利侵害に関わる帳簿、資料を主として権利侵害者が所持している場合、権利侵害者に権利侵害行為に関わる帳簿、資料を提供するよう命ずることができる。

権利侵害者が提供せず、又は虚偽の帳簿、資料を提供する場合、人民法院は著作権者の主張により権利侵害賠償額を確定し、判決を下すことができる。

(第七十六条  侵犯著作权或者相关权的,在计算损害赔偿数额时,权利人可以选择实际损失、侵权人的违法所得、权利交易费用的合理倍数或者一百万元以下数额请求赔偿。对于两次以上故意侵犯著作权或者相关权的,人民法院可以根据前款计算的赔偿数额的二至三倍确定赔偿数额。人民法院在确定赔偿数额时,应当包括权利人为制止侵权行为所支付的合理开支。人民法院为确定赔偿数额,在权利人已经尽力举证,而与侵权行为相关的账簿、资料主要由侵权人掌握的情况下,可以责令侵权人提供与侵权行为相关的账簿、资料;侵权人不提供或者提供虚假的账簿、资料的,人民法院可以根据权利人的主张判定侵权赔偿数额。)

出典:国務院法制弁公室

www.chinalaw.gov.cn/article/cazjgg/201406/20140600396188.shtml

 

2回以上の故意侵害に対して、実質的損失額の2倍から3倍の賠償額を確定する規定が導入されています。

いわゆるアメリカで導入されているトリプルダメージです。


弁理士 田中智雄
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