特許権を侵害する太陽光発電システムで発電した電力を売電すれば特許権の侵害に該当します。

ただし特許法は特許権の効力が及ぶ範囲に例外を設けています。

その例外の一つが「業として」という要件です。

 

特許法では「業として」の定義をしていませんが、「業として」とは、個人的や家庭的な使用を除外する、という解釈が一般的です。

個人的や家庭的の使用は経済的規模が小さく、その行為を除外しても特許権者に与える経済的不利益は小さい、ことを理由としてあげています。

 

しかし太陽光発電した電力の売買システムは、事業者が発電する電力の買い取りだけでなく家庭で発電する電力の買い取りも含んでいます。

各家庭が発電する電力は少量ですが、それがまとまれば事業者が発電する電力と規模的に何ら変わりはありません。

事業者が発電する電力と家庭が発電する電力で品質が変わることもありません。

 

個人的や家庭的な使用を除外する理由である、特許権者に与える経済的な不利益が小さいという考えは、太陽光発電を利用した電力の売買システムには当てはまりません。

 

太陽光発電にかかわる特許権の侵害事件がこれから増えていくことが予想できます。

もし特許権者が家庭で使用する太陽光発電システムの使用の差止めを求めたような場合、「業として」の解釈が争点になります。

その場合、これまでの通説である特許権者に与える経済的不利益説を裁判所が採用することはないと思います。

 

裁判所としては行き過ぎた特許権の行使は認めたくありません。

どのような理由で特許権の効力を制限するのでしょうか。

 

 

 

 

 

 


弁理士 田中智雄
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