他人の特許発明を無断で実施すると、民事的な責任を問われるだけでなく、刑事罰の対象にもなるのが日本です。

(10年以下の懲役・1000万円以下の罰金刑、さらに法人に対しては3億円以下の罰金刑)

一方、中国の場合、無断で特許発明を実施しても民事的な責任を負うだけで、刑事罰の対象にはなっていません。

中国で刑事罰の対象となっている行為は、許諾を得ずに製品に他人の特許表示を表記したり、特許製品でないのに特許製品であるかのように偽ることです(刑法216条)。

日本では虚偽表示罪と言われています。

虚偽表示は特許発明の実施に比べれば重要度は低く、発生件数も少ない行為です。

 

昨今の中国、技術力の向上には目を見張るものがあります。

これに伴い、これまでの商標摸倣から意匠摸倣へ、そして特許摸倣へというように摸倣形態が進化しています。

商標摸倣に比べて技術力や資本力を必要とする特許摸倣は、組織的な取り組みがなければ実行できるものではありません。

 

特許発明の実施行為を刑事罰の対象にしていない国は中国だけではありません。

アメリカも特許権侵害に対して刑事罰が規定されていません。

アメリカでは刑事罰の対象となるような悪質な侵害行為を、懲罰賠償というルールで抑止しています。

特許権の侵害に対して刑事罰がない中国には、侵害の抑止力として効果的に機能するルールががありません。


弁理士 田中智雄
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