世界の工場と言われる中国には、世界中の企業から製造委託の話が持ち込まれます。

言葉の違いがあっても設計図を見ながらの商談であれば、相手とコミュニケーションをとることはそれほど難しくありません。

 

日本企業同士であれば、商談を始める前に秘密保持契約(NDA)を締結することが一般的ですが、中国企業と商談をするときに限ってNDAを締結しない企業が意外に多いことも事実です。

このような商談でよくあるトラブルは、商談で使った設計図を無断で使用して中国企業が勝手に生産を始めてしまうことです。

 

NDAを締結していない場合、唯一の頼みは著作権です。

そこで著作権の効力がどこまで及ぶのかを整理してみます。

 

商談で使用した設計図に創作性があれば著作物性が認められます。

ほとんどの設計図には創作性があるでしょうから、無断で設計図を複製すれば複製権の侵害です。

では設計図を無断で使用して生産された製品に著作権の効力は及ぶのでしょうか。

 

残念ながら設計図を使用して生産された製品には著作権の効力は及びません。

 

日本であれば設計図を使用して無断で生産した製品の販売を形態摸倣行為として不正競争防止法を適用できる可能性があります。

中国にも不正競争防止法はあるのですが、形態模倣行為を規制することはできません。


弁理士 田中智雄
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